
化粧品容器の金型とは?企画から量産までの流れを解説
化粧品づくりでは、容器の形状や質感などが製品の印象に大きく関わります。その容器を成型する土台となるのが「金型」です。
金型は、ボトルやキャップの形状・寸法・厚みなどを細かく再現するために使われ、デザイン性と機能性の両方に影響を与えます。石堂硝子では既存の金型を活用した容器の提案も可能で、オーダーメイドの金型製作にも対応しています。
この記事では、化粧品容器の製造で役割を持つ金型の基礎知識から、新規金型開発の流れ、精度やコストに関連するポイントまでを整理して紹介します。初めて金型に触れる方にも読みやすいように、製造の背景や工程のつながりを踏まえて解説していきます。
目次[非表示]
- 1.金型とは?化粧品容器製造における基礎知識
- 1.1.金型の役割
- 1.2.化粧品容器における金型の特徴
- 1.3.オリジナル容器を作りたい!でも金型開発費用を抑えたい!
- 1.3.1.化粧品開発で経費を抑えてオリジナルの容器を作る方法
- 1.3.2.アウターキャップのみを開発するメリット
- 2.新規金型開発の流れ
- 2.1.① 企画(仕様検討・デザイン確定)
- 2.2.② 設計
- 2.3.③ 金型製造と試作成型
- 3.金型開発で気をつけたいポイント
- 3.1.① 精度の確保
- 3.2.② コストバランス
- 3.3.③ 納期とコミュニケーション
- 4.容器開発で気をつけたいこと:設計段階での情報共有
- 4.1.①チーム間連携の重要性
- 4.2.②試作成型段階での各部署確認
- 5.まとめ
金型とは?化粧品容器製造における基礎知識
金型は、化粧品容器の形状や品質を決める基盤となる重要な部品です。
ここでは、金型がどのような役割を担い、化粧品容器の製造にどのように関わっているのかを紹介します。
金型の役割

金型は、樹脂やガラスを流し込んで成型するための型で、図面で設計した形状を現実の形として作り上げる役割を持っています。
ボトルの寸法や口径、厚み、外観のラインなどが金型によって決まり、わずかな誤差が最終的な使い心地にまで影響する場合があります。
金型ではミクロン単位の精度が求められることが多く、完成後の大きな修正は簡単ではありません。そのため、初期段階の設計や検証が容器品質に大きく関わります。
化粧品容器における金型の特徴
化粧品容器に使用される金型は、一般的な工業部品の成型とは少し異なる特徴があります。容器の透明感や光の見え方、手に触れたときの滑らかさなど、外観と使い心地の両方に関わる要素を細かく再現する設計が重視されます。
キャップとの噛み合わせや口元の精度も、使いやすさを左右するため、金型段階で丁寧に形作られます。
また、化粧品容器は複数のパーツで構成される場合が多く、ボトル・キャップ・中栓といった各部品それぞれに金型が必要になります。パーツ同士の噛み合わせやバランスを考えながら設計が進むことで、密閉性やや操作性が安定しやすくなり、最終的な使用感につながるのです。
オリジナル容器を作りたい!でも金型開発費用を抑えたい!
化粧品開発で経費を抑えてオリジナルの容器を作る方法
化粧品容器をオーダーメイドで開発することも可能ですが、既存のボトルにオリジナルのキャップを作る方法もおすすめです。
オリジナル容器というと、「ボトルもキャップもすべて新規で金型を作る必要がある」と思われがちですが、実はキャップの外観だけをオリジナルにするという方法があります。この方法を採用することで、コストや開発期間を抑えながら、ブランドらしさをしっかり表現することが可能です。
キャップ内部のねじ部分やインナー構造は既存品を使用し、外側にかぶせるアウター部分のみを新規開発することで、見た目は完全にオリジナルのキャップとして仕上がります。

アウターキャップのみを開発するメリット
・内容物とのテストをすぐに開始できる
既存ボトルを使用するため、ボトル試作の完成を待つ必要がありません。
・ボトルとの嵌合チェックが不要
実績のある組み合わせのため、確認・調整工程を省略できます。
・開発期間・金型費用を抑えられる
新規開発の範囲を最小限にすることで、全体の負担を軽減できます。
など、様々なメリットがあります。「容器のボトルからキャップまで、いちから全てオリジナルにすると予算も納期も不安…」という方におすすめの金型開発方法です。
新規金型開発の流れ

化粧品容器の金型開発は、企画から量産までいくつかの段階を経て進行します。各工程が連動しているため、どのステップでも確認や調整が発生します。
ここでは、一般的な流れを順に紹介します。
① 企画(仕様検討・デザイン確定)
金型開発は、まず「どのような容器をつくりたいか」を明確にする企画段階から始まります。容器の使用シーンやターゲット層、中身の特性などを踏まえたうえで、デザイン案や形状、容量、口径といった仕様が検討されます。
企画段階での検討例
容器のデザインコンセプト
予定している内容物との相性
仕上がりの質感や装飾方法
生産ロットや想定コスト
こうした情報をもとに、金型設計に反映するための方向性が固められます。
② 設計
仕様がまとまった段階で、金型の設計に移ります。3Dデータの作成やモールド構造の検討が行われ、実際の成型を踏まえた細かな調整が進みます。
設計で考慮されるポイント
成型時の収縮率
ゲート位置(樹脂の流れ込み口)の設定
離型性(成型後に取り出しやすい形状かどうか)
この段階での検討が、後の外観や寸法の安定性に直結します。
③ 金型製造と試作成型
設計が完了すると、金型を製作し、成型の試作を行います。
実際に成型した試作品を確認し、見た目や寸法、中身との相性、操作性などを細かく評価していきます。1回の成型で製造する数を「取数」と呼びます。1回の成型で4個製造する場合は「4個取り」、8個製造する場合は「8個取り」のように表現します。
成型が難しい形状や材質によっては、試作型と呼ばれる1個取りの金型を先に製造し、成型物を検証してから量産用の金型を製造するケースもあります。
試作で確認されるポイント
外観(透明度、ヒケ、歪みなど)
寸法精度やキャップとの噛み合わせ
成型条件(温度・圧力など)の妥当性
細かなキズが入っていないか(ツヤがあること)
必要に応じて金型の微調整が行われ、量産に適した形状へ近づけていきます。
このように、金型開発は段階ごとに確認と調整を重ねながら進行していきます。
▼ 詳しく知りたい方におすすめの金型開発ガイドはこちら
金型開発で気をつけたいポイント

金型開発では、精度・コスト・納期の3つが重要なテーマとしてあげられます。いずれも量産時の品質や業務スケジュールに関わるため、企画段階から意識されることが多い項目です。
ここでは、それぞれの観点で押さえておきたいポイントを紹介します。
① 精度の確保
化粧品容器の金型において、精度は特に重要です。容器は複数のパーツで構成されることが多いため、寸法のごく小さな差がキャップの締まり具合や密閉性に影響することがあります。
精度が影響しやすいポイント
キャップとの噛み合わせ
中栓のはまり込み具合
ボトルの口径
また、外観も評価の対象になるため、表面の凹凸・歪み・ヒケ(樹脂の沈み痕)などが生じにくい設計や成型条件が検討されます。
② コストバランス
金型は一度製作すると大きな変更が難しいため、設計段階での検証がコスト管理にも大きく関わります。高精度な金型は製作費も高くなるため、製品ロットや販売価格とのバランスを取ることが検討される場合があります。
コストに関連する要素
金型のサイズや構造の複雑さ
1回の成型で製造する数(取数)
仕上げ精度やパーツ分割の数
仕様を固める段階で、必要な品質と費用のバランスを丁寧に検討することが、結果的にスムーズな量産につながります。
③ 納期とコミュニケーション
金型開発は工程が多く、設計内容が変更されるとスケジュールにも影響します。そのため、設計、金型メーカー、成型メーカーの間で情報共有が円滑に行われることが、納期面での安定につながります。
チーム間で仕様や変更点を共有し合うことで、手戻りの発生を抑えやすくなり、全体のスケジュールも整いやすくなります。
容器開発で気をつけたいこと:設計段階での情報共有
化粧品容器の開発では、金型・成型・デザインなど複数の工程が連動して進みます。そのため、企画段階から開発チーム間で情報を共有し、方向性をそろえておくことが品質面でもスケジュール面でも役立ちます。
ここでは、実務の中で特に意識されることが多い2つの視点を紹介します。
①チーム間連携の重要性
容器の設計は、見た目のデザイン性だけでなく、量産時の成型のしやすさや耐久性も同時に考える必要があります。
デザイン部門と技術部門が早い段階から情報を共有しておくことで、量産工程での調整がスムーズになります。
あらかじめ共有しておくと役立つ情報
造形の意図や表現したいブランドイメージ
肉厚バランスや口径などの寸法情報
成型収縮や金型の構造に影響するポイント
表面仕上げ、透明度、塗装・印刷など後工程の仕様など
また、CADデータやモックアップを用いた事前確認によって、外観だけでなく成型性・強度などの技術要件もチェックしやすくなります。
このような工程間のスムーズな連携が、最終的な容器の品質安定につながるのです。
②試作成型段階での各部署確認
試作成型は、本製品の仕上がりを確認する重要な工程です。試作で得られた情報をもとに、外観・寸法・使い心地などを総合的に確認し、量産に向けた方向性を固めていきます。
試作段階で確認されることが多い項目
外観の仕上がり(透明度・光沢・色味)
寸法精度やパーツのはまり具合
成型時の課題(ヒケ・変形・バリなど)
使用感(開閉のしやすさ・持ちやすさ)
設定の内容量が入るかのチェック
試作の段階で仕様の考え方を共有しておくことで、手戻りのリスクを減らし、量産後の品質の安定にもつながります。
▼ 詳しく知りたい方におすすめの金型開発ガイドはこちら
まとめ
この記事では、化粧品容器の金型について以下の内容を解説しました。
金型とは?化粧品容器製造における基礎知識
新規金型開発の流れ
金型開発で気をつけたいポイント
容器開発で気をつけたいこと:設計段階での情報共有
化粧品容器の金型は、デザイン性と機能性の両面を形にするうえで重要な要素です。企画・設計・試作・量産までの流れを把握しておくことで、容器づくりの考え方が整理され、開発全体のイメージがつかみやすくなります。
石堂硝子では、この記事で解説した内容を経て製作した金型を各種豊富に取り揃えています。既に製作した金型であれば、当社での試作・検証を経ていますので安心してご利用いただけます。(内容物での容器試験の実施をお願いします)また、オーダーメイドの金型製作も対応可能です。
化粧品容器の製造プロセスや個別仕様について詳しく知りたいご担当者さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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