バリア性能の高い化粧品容器とは?

バリア性能の高い化粧品容器とは? ~酸化・劣化から製品を守る~

“空気”や“光”が化粧品の品質を左右する?

化粧品の品質を左右するのは中身だけではありません。美容成分や香料は、空気や光、湿気に触れることで劣化したり酸化したりすることがあります。とくに天然由来成分や防腐剤を抑えた製品は保存性に敏感です。そこで重要になるのが容器の「バリア性能」です。

バリア性能とは?

バリア性能とは、外部からの酸素・水分・光・雑菌・ガスなどの侵入を防ぐ力のことです。一般的なプラスチック容器は軽くて扱いやすい反面、これらの外的影響を完全に遮断するのは得意ではありません。そこで、さまざまな工夫で「中身を守る」容器の開発を行っています。

中身を守る容器の工夫

①多層成型容器

酸素や湿気の透過を防ぐ方法として代表的なものが「多層成型容器」です。これは性質の異なる樹脂をサンドイッチのように重ねて作る構造です。

【例】

  • 外側と内側に柔軟性と成形性に優れたPE(ポリエチレン)などの基本素材

  • 中央に酸素などを通しにくいEVOH(エチレンビニルアルコール)といった高バリア樹脂

バリア性のある素材を挟み、外側には強度や加工性のある素材を使うことで、内容物をしっかり守る構造になっています。

また、EVOHは衝撃に弱いため、強度や安定性のある素材と組み合わせて多層化することで実用に適した容器を実現しています。

▼多層ボトルの構造イメージ

多層ボトルの構造イメージ

▼石堂硝子の多層ボトル

多層容器

UVケアに特化した多層ボトル。バラエティに富んだフォルムを揃えています。繊細な処方の内容物やUV製品に最適です。

多層ボトル

底に向かって裾広がりの形状です。安定感とスクイズ性があります。トンガリ中栓がつくので、頭皮に直接液がとどくスカルプケア製品にもおすすめです。

②エアレス容器

空気との接触をできるだけ減らしたい場合は、エアレス容器が有効です。エアレス容器は、中身が空気に触れずに使用できる構造になっています。粘度のある美容液や酸化に弱いファンデーションなどが適しています。

【エアレス容器の構造】

ポンプをプッシュするとボトル底のピストンが吸引されて上昇します。内容物がピストンと一緒に押し上げられるため、容器の中に空気が入りにくく、化粧品を最後まで新鮮な状態で使い切ることができます。また、石堂硝子のエアレス容器はピストンの天面にくぼみがあり、スペーサーがすっぽり収まるため、ピストンが最上部まであがる構造になっています。

▼エアレス容器の構造イメージ

エアレス容器の構造イメージ

▼石堂硝子のエアレスボトル

エアレス容器

20ml~50mlまでの少量アイテム向けの丸ストレートボトルです。美容液やファンデーションなどにおすすめです。ピストンの高さによって容量を調節できる容器もあります。

大容量エアレス容器

エアレス容器としては珍しい容量を揃えており、ジェルやクリームなど通常のスキンケアラインとしておすすめの容器です。IGエアレスシリーズは全て国内製で、年間約200万本の出荷実績があります。

その他の“バリア性”をもつ容器

バリア性といっても、遮断したい対象は酸素だけではありません。ここでは、光・湿気・香りの揮発などを防ぐための容器をご紹介します。

遮光ビン(遮光PET・遮光ガラス)

遮光ビン

光による成分の分解や劣化を防ぐため、遮光性のある容器が使われます。特に、ビタミンCやレチノールなど光に弱い処方に適しています。

  • 茶色や黒色のガラス瓶

  • 紫外線吸収剤入りの樹脂容器

▼遮光ビンについて詳しくはこちら

高密封ジャー

クリームやバームなどの揮発性が高い処方には、密閉性の高いジャー容器が有効です。

FacileFrancaは、水分蒸散や内容物減少を抑える試験で高いバリア性が実証されています。

まとめ

化粧品の品質や使用感を守るうえで、容器の「バリア性能」は非常に重要です。多層成型、エアレス構造、遮光性、密閉構造など、容器には目に見えない多くの工夫が詰まっています。処方やブランドの方向性に合った容器を選ぶことで、製品の魅力と信頼性をさらに高めることができます。※必ず内容物と容器の相性テストを行うようにしてください。

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