
1色で濃淡表現ができる? ― 網点デザインの魅力と活用法
化粧品容器の印刷に求められること
化粧品容器は、商品を手に取るきっかけとなる「ブランドの顔」です。その印象を左右するのが、容器に施される印刷表現です。複数の色を使いたいけれど、「多色印刷だとコストや納期がかかる…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、シルクスクリーン印刷の「網点」表現です。
シルクスクリーン印刷の基本
シルクスクリーン印刷は、版に細かいメッシュ(網)を張り、そこからインクを押し出すことで印刷する方法です。発色が鮮やかで、耐久性に優れているのが特長です。化粧品容器に広く使われており、ボトル・ジャー・チューブなど形状を問わず対応できます。
さらに小ロットから 大量生産まで可能で、ブランド規模に合わせて活用できる印刷方法です。しかし、一色につき一つの版を作る必要があるため、色数が増えるとコストが高くなり、工程が増えることによってリードタイム(納期)にも影響することが考えられます。
網点印刷とは?
「網点」とは、インクを細かなドット(点)の集合で表現する技術です。例えば新聞や白黒の漫画などもよく見ると網点が並んでいます。
点の大小や密度を変えることで、1色でも濃淡を再現できるのが特徴です。本来なら複数色を使わなければ表現できないデザインも1色印刷で実現できる可能性があります。コストを抑えながらデザイン性を高められる手法です。
▲点の大小や密度を変えることで濃淡を表現できます。
▲シルク印刷の網点仕上がり見本
網点の導入メリット
- コスト削減多色印刷を1色にできるため、1色ごとにかかる版代や印刷費を抑えることが可能
- デザイン性グラデーションや透明感のあるニュアンスを表現できる
- 差別化シンプルながら印象的な表現が可能で、他社製品との差別化に
- スピード1色の版で済むため、製版・量産までのリードタイム短縮にもつながる
網点を導入する際の注意点
- モアレの発生網点が細かすぎる場合、波紋のような縞模様(モアレ)が出る可能性があります。(図:モアレ現象)

- 印刷滲み・かすれ少しの印刷の滲みやかすれも目立ってしまう可能性が高いです。
- 繊細なグラデーションは困難繊細でなめらかなグラデーションは再現が難しい可能性があります。
細かすぎると版のメッシュにデザインが抜けなくなったり、メッシュの目にインクが詰まることで印刷潰れ・かすれ等が発生し印刷の仕上がりに影響します。また、容器の材質やデザインによって再現が難しい場合もございます。そのため、事前のご相談や印刷試作で実際の仕上がりを確認いただくことをおすすめします。また、網点で表現できるのは単色(1色)の濃淡によるデザインのみで、2色または3色では表現できません。
「インクジェット印刷」では、2色以上でなめらかなグラデーション表現が可能です。
まとめ
シルクスクリーン印刷の「網点」は、「コストを抑えたい、でもデザイン性も高めたい」という化粧品ブランド様にぴったりの表現手法です。
容器デザインの幅を広げたいとお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。
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