シルクスクリーン印刷における 泥金・泥銀印刷とは?

シルクスクリーン印刷における 泥金・泥銀印刷とは?

化粧品容器に高級感や華やかさを加えたいときに選ばれる金銀表現。「泥金(どろきん)・泥銀(どろぎん)」は、派手すぎない上質感を出したいときに用いられる落ち着きのある金銀インクです。

今回は泥金・泥銀の基本のしくみから仕上がりの特徴、ホットスタンプ箔との比較まで解説します。

シルクスクリーン印刷とは?

シルクスクリーン印刷は、版のメッシュ(網目)を通してインクを押し出す印刷方法で、化粧品容器で広く使われる方法です。シルクスクリーン印刷は色の自由度が高く、白や黒などの基本色は安定して再現できます。また、特色のインクを使うことでブランド独自のカラーにも対応でき、色にこだわりたいデザインにも適した印刷方法です。(※DICやPANTONEといった印刷色チップなど、現物で色の指示をいただくとスムーズです。)

その中でも落ち着いた高級感を再現できるのが「泥金・泥銀」での印刷です。

▼シルクスクリーン印刷について詳しくはこちら

泥金・泥銀とは?

泥金・泥銀は、インクに金属粉を混ぜてつくります。

  • 泥金:深みのある金色
  • 泥銀:落ち着いた銀色

表面に少し粉末のざらざらとした質感があることが特徴です。箔のような鏡面ではなく、マット寄りの金属感の仕上がりになります。光りすぎない“重厚な光沢”が得られるため、化粧品容器で人気の表現です。

泥金・泥銀とは?

※画像はイメージです。

泥金の色味の違い

泥金には色味のバリエーションがあり、赤みのある「赤金」、青みがかった「青金」などから選べます。

  • 赤金(あかきん)
    黄色味が強く、華やか・明るい印象
  • 青金(あおきん)
    赤みを抑えた、落ち着いた金色

赤金と青金を混ぜた中間色を選ぶことも可能です。ブランドの雰囲気に合わせて色味を選ぶことで印象が変わります。

※細かな調色は各社のインク取り扱い状況や設備によるため確認が必要です。

泥金の色味の違い(赤金・青金)

※色味の差はイメージです。

泥金・泥銀とホットスタンプ箔

金属表現といえばホットスタンプ(箔押し)も代表的です。泥金・泥銀とは仕上がりが異なります。

ホットスタンプ箔とは?

金属光沢のある薄い箔を熱と圧力で押し付ける加工で、化粧品容器でよく見る“キラッとした金・銀”は箔であることが多いです。

泥金・泥銀とホットスタンプ箔の比較

泥金・泥銀

ホットスタンプ箔

光沢

控えめ(表面のざらつき)

鏡のような光沢(艶消しも可)

曲面への印刷

可能だが範囲などに制限あり

耐久性

擦れに強い

剥がれに注意が必要

華やかな光沢が必要な場合はホットスタンプ箔を、落ち着いた高級感が欲しい場合は泥金・泥銀が選ばれる傾向です。

泥金・泥銀のメリットと注意点

メリット

  • 重厚感のある高級仕上げが可能
  • ブランドロゴなどが映える
  • 曲面にも安定して印刷でき、デザインの自由度が高い

注意点

  • ホットスタンプと比較すると光沢が控えめ
  • 微細なデザインには不向き

泥金・泥銀は金属表現でありながら裏面表示などの文字にも使用が可能です。

※文字が小さいと潰れ等が発生するので事前確認が必要です。

泥金を用いたデザイン例

ピンク×泥金で 華やかさをプラスしたデザイン

01

ピンク×泥金で
華やかさをプラス

ピンクと泥金の花びら模様でひらひら舞う桜を表現。

印刷可能範囲が広いので容器全体へのデザインが可能です。

落ち着いた色味で 金継ぎを表現したデザイン

02

落ち着いた色味で
金継ぎを表現

日本の伝統技法である金継ぎを表現したデザインに泥金印刷を採用。泥金の落ち着いた印象が重厚感を与えます。

マット容器×泥金で 静かな高級感

03

マット容器×泥金で
静かな高級感

マット容器に泥金を合わせることで、容器自体の色とロゴの金の色味が調和しやすく、統一感のある仕上がりになります。

派手過ぎないソフトな光沢は、落ち着いたプレミアム印象を与えられます。

まとめ

泥金・泥銀は、「光りすぎない金属表現」として化粧品容器にぴったりの印刷方法です。泥金・泥銀の持つ落ち着いた高級感からブランドの世界観づくりに貢献します。

石堂硝子のショールームでは泥金・泥銀をはじめ様々な加工の見本や実績品が揃っています。

見て・触れて・比べられるショールームへぜひお越しください。

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