
化粧品容器の印象を左右する「パール着色」と「パール塗装」の違いとは?
化粧品の容器は、製品の世界観やブランドイメージを伝える重要な要素です。中でも、「パール調」の質感は高級感や上品さを演出できるため、多くのブランドに採用されています。
しかし一口に「パール調」といっても、実現方法には「パール着色」と「パール塗装」の2種類が存在します。この記事では、それぞれの違いや特徴をご紹介します。
パール着色とは?
パール着色とは、プラスチック(主にPPやPET、PEなど)の成形時にパール顔料を樹脂に練り込む加工方法です。
パール着色の特徴
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一体成型でムラが少ない
顔料が材料そのものに混ざっているため、成形時に均一な色と光沢が出やすい。
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コストパフォーマンスに優れる
塗装工程が不要なため、工程が少なく塗装に比べて安価でできる。
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ロット3000個から対応
パール着色はコスト面では優れるが、大量生産向き。
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表現の幅がやや限定的
微細なパール表現はやや苦手。
成型する段階からパール剤を練り込んでいるため、容器全体にパール剤が含まれた状態で仕上がります。ボトルの場合、ネジ部分までパール入りの生地となります。
パール塗装とは?
パール塗装は、成形された容器の表面にパール顔料を含んだ塗料を吹き付けて仕上げる方法です。
パール塗装の特徴
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パール感アップ
後加工でパールを吹き付け塗装するため、パール感がよりはっきりと出るため、奥行き感が増す。
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コストはあがる
塗装の工程がひとつ増えるため、パール着色に比べて割高になる。
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ロット1000個から対応
パール塗装は1000個から対応。小ロットでもパール表現をしたい場合におすすめ。
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バリエーションが豊富
塗料の調整により、粒子のサイズやきらめきなど、より繊細な調整が可能。
容器の成型後、別工程でパール塗装の工程が入ります。そのため、容器の生地色によってパールの見え方が異なります。
パール着色とパール塗装の比較まとめ
パール着色とパール塗装のサンプルを見てみましょう。ふたつを比較すると、パール塗装の方がパール感がはっきり出て、奥行も出てきます。パール感や粒サイズなどもある程度調整できるのでご相談ください。
パールの上級版!? 角度などによってパールの色味が変化するパール塗装
「パール塗装」の中でも、特に高級感や幻想的な演出に長けた加工方法として「偏光パール(偏光パール塗装)」があります。
偏光パール塗装とは?
偏光パールとは、塗料や 調色によりパール材を配合し、角度や光の当たり具合によって色が変化し、見え方が異なる特殊な塗装技術です。
青系の偏光パール、緑系の偏光パールなど、様々な色味があります。
偏光パール塗装の特徴
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多色変化による幻想的な表現
偏光パール顔料は、複数の層(主に酸化チタンや酸化鉄)で構成され、光が干渉することで色が変化して見える構造になっています。例えば、「青〜紫」「緑〜ゴールド」「赤〜オレンジ」など、見る角度や光の種類によって多彩に色味が変わります。
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高級感がある
見るたびに印象が変わる偏光効果は、ラグジュアリー感や未来感を強く打ち出せるため、ハイエンドなスキンケアやメイクアップラインの容器に多く採用されています。
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塗装条件や素材との相性が重要
偏光パールは透明または半透明の塗膜の中に含まれることが多く、下地の色や素材の質感によって仕上がりが大きく変わります。そのため、成形素材や塗装工程に対する高度な設計・調整が必要です。
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コストはあがる
顔料自体が高価である上に、塗装工程も複雑(下地塗装+偏光パール層+トップコートなど)となるため、一般的なパール塗装よりもコストが高くなります。
偏光パール塗装加工におすすめの化粧品アイテム
偏光パール塗装加工におススメの製品や化粧品ラインは、
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高価格帯のスキンケア製品
アンチエイジングラインや、プレミアム美容液など、高価格帯の製品におすすめ。
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限定デザイン
ブランド周年記念製品や、季節限定の美容液などの限定製品におすすめ。
視覚的インパクトのある偏光パール塗装は、ブランドの独自性を打ち出したい場合や、限定・プレミアムラインには非常に効果的な選択肢となります。
まとめ
化粧品容器の「パール着色」と「パール塗装」は、どちらも美しいパール感を表現する方法ですが、それぞれに適した用途や特徴があります。
大量生産でコストを抑えたい場合は「パール着色」、高級感や細かなニュアンスを追求したい場合は「パール塗装」が向いています。ブランドの世界観やターゲット層に合わせて、最適な加工方法を選ぶことが、製品価値をさらに高めるカギになります。
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