薬品の容器材質や内容物成分に対する耐久性を解説

薬品の容器材質や内容物成分に対する耐久性を解説

化粧品にはさまざまな成分が含まれており、なかには強い成分である酸が使用されている場合があります。容器に耐薬品性がないと、品質や効果が低下する可能性があるほか、使用者の肌に悪影響を及ぼしかねません。


化粧品容器の安定性や安全性を保つために、容器を選ぶうえでは“耐薬品性”が重視されます。本記事では、化粧品だけではなくさまざまな用途に使用される“容器の種類や材質、薬品に対する耐久性”について解説していきます。


目次[非表示]

  1. 1.薬品容器の役割とは
    1. 1.1.①薬品の変質を防止する
    2. 1.2.②輸送時の安全性を保つ
    3. 1.3.③使用時の利便性を高める
  2. 2.薬品容器の種類
    1. 2.1.①密閉容器
    2. 2.2.②気密容器
    3. 2.3.③密封容器
  3. 3.薬品容器の材質
    1. 3.1.①ガラス
    2. 3.2.②プラスチック
    3. 3.3.③アルミチューブ
  4. 4.ガラス瓶の薬品容器について
    1. 4.1.①ガラス瓶の薬品容器のメリット
    2. 4.2.②ガラス瓶の薬品容器のデメリット
  5. 5.まとめ


薬品容器の役割とは

薬品容器の役割とは

薬品容器には、ただ保存するだけではなく、内容物の保護や使いやすさも求められます。まずは、薬品容器が担う役割について、一つずつ解説します。


①薬品の変質を防止する

性質が変化しないように内容物を守るのが、薬品の容器の役割の一つです。


薬品のなかには、日光や外気の影響で変質してしまうものがあります。このような外部環境から薬品を保護し、異物混入をはじめ、風解や潮解、さらに蒸発を防ぐことで、長期にわたり品質を保つことが容器に求められます。

※風解…結晶水を含む結晶体が空気中で結晶水を失い、粉末になる現象
※潮解…固体が空気中の水蒸気を吸収し溶ける現象


②輸送時の安全性を保つ

薬品の容器は、安心して薬品を輸送するために、内容物が漏れたりこぼれたりするのを防ぐ役割も担います。また容器には、持ちやすい形状であることが求められます。箱詰め時の落下のリスクを抑えれば、より安全な運搬が可能になります。


③使用時の利便性を高める

薬品の容器には、より快適な使用感を実現させる役割もあります。例えば、ストレスなく薬品を出し入れできることや、内容物の紛失を防ぐ工夫が施されていることなどが挙げられます。



薬品容器の種類

薬品容器の種類

ここからは、容器の種類を紹介します。具体的な容器の例や、それぞれの性質を押さえながらご覧ください。


①密閉容器

密閉容器は、固体の侵入を防ぐ容器です。ダンボール箱をはじめとする紙箱や、紙袋が代表的な例として挙げられます。直接薬品を入れる容器ではなく、薬品を入れた容器の梱包材として多く利用されています。


②気密容器

固体と液体の侵入を防げる気密容器は、内容物の風解や潮解、また蒸発を防ぐことができます。主な気密容器としては、プラスチック容器やガラス瓶などがあります。


③密封容器

密封容器は、固体や液体にくわえて、気体も遮断できる容器です。密封容器の代表例として、注射剤を保管するために使われるアンプルやバイアル、ヘアスプレーや殺虫剤の容器に使用されるエアゾール缶が挙げられます。その気密性の高さと、無菌状態を保てる特徴から、医薬品や酸化に弱い薬品などにも安心して使用できます。



薬品容器の材質

以下では、容器の材質とその特徴をお伝えします。内容物との相性や耐薬品性の有無なども、併せてご確認ください。


①ガラス

ガラスの薬品容器

ガラスで作られた容器は、耐薬品性に優れており、薬品容器として多く使用されています。光を通すため、日光により内容物が劣化する可能性がありますが、ガラスに色をつけたり遮光性のある紙で容器を覆ったりすることで、対策が可能です。


密封性の高いガラス製の容器もあるため、多種多様な薬品や用途に対応できます。


②プラスチック

プラスチック

プラスチックも、薬品容器としてよく使われている材質の一つです。プラスチックの素材によって異なりますが、衝撃に強く軽い、そして安価といった特徴があります。ただし、ガラスや金属と比べて熱に弱く静電気を帯びやすいため、その点は覚えておきたいところです。

薬品の容器としては、耐薬性が高いポリプロピレンやポリエチレン、ペットなどが多く使用されています。中に入れた薬品によって、変形したり溶けたりしないプラスチックであることを事前にご確認ください。


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③アルミチューブ

アルミチューブ


クリーム状の薬品や化粧品の容器として使われているのが、アルミチューブです。アルミチューブは、液体や気体、日光から内容物を保護できるだけでなく、コンパクトなため持ち運びにも便利です。



ガラス瓶の薬品容器について

ここからは、薬品の保存に多く使用されている、ガラス製の容器のメリット・デメリットを紹介します。特に、ガラスと内容物の成分との相性の良し悪しは、きちんと押さえておくことをおすすめします。


①ガラス瓶の薬品容器のメリット

ガラス瓶を薬品容器として使用するメリットは、内容物の変質を防止できる点と、強い薬品である酸の保管にも適している点です。


密封性の高いガラス瓶を使えば、液体や気体などによる外部からの影響を抑えられ、長期間にわたり品質を維持しながら保管が可能です。またガラス瓶は、容器自体も内容物の成分によって変化しにくい性質なため、酸のように強い物質の保存にも向いています。


そのほか、ガラスの主な原料は石灰や珪砂などの天然素材であり、プラスチックと比べてエコであることも利点の一つとして挙げられます。


②ガラス瓶の薬品容器のデメリット

ガラス瓶は、重量があり、かつプラスチックに比べて割れやすい点がデメリットとして挙げられます。物によっては表面がツルツルしているため、手から滑り落ちて破損してしまうことがあります。ガラスの破片による怪我には十分に気をつけてください。



まとめ

この記事では、薬品の容器について以下を解説しました。


  • 薬品容器の役割とは
  • 薬品容器の種類
  • 薬品容器の材質
  • ガラス瓶の薬品容器について


薬品容器は、プラスチック製やアルミ製など多種にわたります。なかでもよく使用されているガラス製の容器は、液体や気体による変質を防ぎ、酸のような強い薬品の保存にも適しています。また天然素材でできているため、環境に優しいこともメリットの一つです。ただしガラスは強いアルカリやフッ化水素水溶液に弱く、これらの成分を含むものには使用できないため、その点はご留意ください。


石堂硝子では、再生原料を30%使用した地球に優しいガラス瓶などの、化粧品容器を提供しております。自社製品に最適な容器をお探しの方は、ぜひお問い合わせください。


なお、容器を選ぶ際には、内容物との相性テストを必ず実施するようお願いしております。


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