PPとPEの違いとは? それぞれの特徴と用途も解説


PPとPEの違いとは?

私たちの生活には、樹脂の存在が欠かせません。なかでもPPとPEは見かける機会も多く、化粧品容器から食品用トレイ、水道管に至るまで、さまざまな場面で使われています。

このように、生活環境の一部として浸透しているPPとPEですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

そこで今回は、PPとPEのそれぞれの特徴と違いを解説していきます。


目次[非表示]

  1. 1.PPとは
    1. 1.1.PPの種類
  2. 2.PEとは
    1. 2.1.PEの種類
  3. 3.PPとPEの違いと共通点
  4. 4.それぞれが利用されるケース
    1. 4.1.PPの利用されるケース
    2. 4.2.PEの利用されるケース
  5. 5.まとめ


PPとは

PPとは

PP(ポリプロピレン)は、その名称からも察せるように、プロピレンが原料です。ほかの樹脂と比較しても非常に軽量でありながら、硬度も備えており、傷がつきにくいという強みがあります。またストレスクラック、つまり環境によってかかる負荷から生じる亀裂にも強く、丈夫さではPEに勝ります。

また、PPは加工性も優れており、さまざまな形状に整形して利用することが可能です。くわえて、耐薬品性や耐熱性もあるため、化学薬品や高温の液体を保存する用途でも使われています。

一方で、低温に晒されるともろくなる性質があり、耐衝撃性も低下することが知られています。


PPの種類

PPはさらに、ホモポリマー、ランダムポリマー、ブロックコポリマーの3種類に分けられます。それぞれの特徴を以下に整理しました。


▼PPの種類一覧

種類
特徴
ホモポリマー
  • プロピレンのみを重合した素材
  • 剛性や耐熱性により優れる
ランダムポリマー
  • プロピレンだけではなく、少量のエチレンが重合されている
  • 透明性や柔軟性に優れる
ブロックコポリマー
  • ホモポリマーやランダムポリマーのなかに、EPRというゴムで覆われたPEが分散して存在している素材
  • 耐衝撃性が強化されており、丈夫であるのが特徴


この表からも分かるように、同じPPでもそれぞれまったく異なる性質をもちます。強みを理解したうえで、適切なケースごとに使い分けることが重要です。



PEとは

PEとは

PPがプロピレンを原料とするのに対して、PE(ポリエチレン)は、エチレンを原料とします。PEは耐薬品性、耐衝撃性が非常に優れており、PPと同様、各種化学薬品の保存容器として用いられています。絶縁性、耐水性、耐寒性も強いため、水道管やガス管など、耐候性が求められる部分にも使われている優れた素材です。

ただし、PPよりも傷がつきやすく、ストレスクラックも発生しやすいため、丈夫さを求めるのであればPPを検討するのがおすすめです。


PEの種類

PEは密度の違いによって、以下に整理した3種類に分けられます。


▼PEの種類一覧

種類
特徴
低密度ポリエチレン
  • 密度の低いポリエチレン
  • 柔軟性や加工性に優れるほか、透明性も高い
高密度ポリエチレン
  • 密度の高いポリエチレン
  • 半透明で、低密度ポリエチレンよりも硬さや耐熱性に優れている
超高分子ポリエチレン
  • 分子量が100万以上のポリエチレン
  • 特に耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性に優れるため、厳しい環境下でも利用できる


ポリエチレンは密度の違いによって長所が変化し、それぞれ適した場面で利用されます。例えば薬品を保存する場合は、硬さがあり内容物を安全に保存できる高密度ポリエチレンが最適です。



PPとPEの違いと共通点

PPとPE違いと共通点

PPとPEにはどのような違い、あるいは共通点があるのでしょうか。以下に、両者を項目ごとに比較した結果を整理しました。


▼PPとPEの違い・共通点

項目
PP
PE
硬さ
硬い
軟らかい
耐候性
低い
高い
耐熱性
比較的高い
低い
透明性
高い
低い
成形性
高い(容易に加工できる)
高い(容易に加工できる)
比重(g/cm3)
0.9
0.95
その他
無味無臭かつ無毒
無味無臭かつ無毒


PPとPEの差異としてまず挙げられるのが、硬さの違いです。PPは硬度が高いため、丈夫さを求める場合や、内容物をより安全に保存したい場合に利用されます。また、保存している内容物を外から確認したい場合は、透明度の高いPPを使うのが効果的です。一方で耐候性はPEのほうが優れており、気温や天候の影響が強い屋外でも利用することができます。

なお、両者には共通点も存在しており、まずどちらも比重が1g/cm3以下で、とても軽い物質である点は同じです。成形性の高さにくわえて、無味無臭かつ無毒であることも共通しています。

この共通点からも分かるように、PPとPEは安全かつ容易に保存容器を作成するのに、非常に適しているといえます。



それぞれが利用されるケース

PPとPEそれぞれが利用されるケース

異なる特徴をもつPPとPEは、利用されるケースにも違いが表れます。


PPの利用されるケース

PPが利用されるケースとしては、以下が挙げられます。


▼PPの利用されるケース

  • シャンプーボトル
  • ヒンジキャップ
  • ジャー容器
  • 食品用トレイ
  • お菓子の包装
  • コンテナ
  • 自動車の部品


硬さを特徴とするPPは、丈夫さが求められるヒンジキャップやジャー容器で利用されます。また、電子レンジでの加熱が想定される食品用トレイも、耐熱性の高いPPが利用される主なケースの一つです。


PEの利用されるケース

対して、PEが利用されるケースは以下の通りです。


▼PEの利用されるケース

  • シャンプーボトル
  • ボトルの中栓
  • ポンプのパイプ
  • 食品の保存容器
  • 医療用保管容器
  • ポリ袋
  • 灯油タンク


軟らかく加工性が高いPEは、柔軟性の求められるボトルの中栓や、ポリ袋に用いられています。また、先にも述べた通りPEは耐候性が高いため、屋外で使われるポンプのパイプを形成する素材としても非常に優秀です。冬には見かけることも多くなる灯油タンクも、PEの一種である高密度ポリエチレンでできています。



まとめ

この記事では、PPとPEについて以下を解説しました。


  • PPの特徴
  • PEの特徴
  • PPとPEの違いと共通点
  • それぞれが利用されるケース


PPとPEには共通点もありますが、硬さや耐熱性、耐候性など、まったく性質が異なる点も存在しています。それゆえに利用用途も異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで使い分けることが大切です。

まもなく創業100年を迎える石堂硝子なら、化粧品容器に関して、お客さまのご要望に合わせた最適なコンセプト・デザインを提案することが可能です。PPやPEを利用した化粧品容器を作成の際は、ぜひ石堂硝子までお問い合わせください。


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