
化粧品容器にデザインをする際の印刷方法を紹介
本記事は、2025年4月3日時点での情報を基に執筆しております。
化粧品OEMでオリジナルコスメを製造する際、化粧品容器のデザインも重視したいポイントの一つです。特に化粧品容器のデザインを印刷によって装飾する際は、自社のブランドイメージに合わせた印刷方法を選ぶことが大切です。
そこで本記事では、化粧品容器に印刷する6つの方法を紹介します。
化粧品容器を製造する際に化粧品容器に記載が必要な項目とは
化粧品容器を製造する際、化粧品容器には商品名や用途はもちろん、それ以外にも薬機法第61条にのっとった情報を記載しなければなりません。その情報には、以下の項目が該当します。
▼化粧品容器に記載が必要な項目
- 化粧品の使用期限
- ロット番号
- 製造販売元
- 発売元(販売元でも可)
薬機法では、上記のように化粧品容器に記載する項目が細かく定められています。したがって、どの情報を記載すればよいのか迷った際は、化粧品メーカーと相談しながら内容を決めていくことが大切です。
なお、化粧品容器のパッケージやデザインに求められるポイントについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
また、化粧品容器のデザインの決め方については、以下の記事が参考になります。
化粧品容器への印刷方法
ここからは主な印刷方法の種類を、メリットや注意点などを踏まえながら解説します。
①シルクスクリーン印刷
シルクスクリーン印刷は、スクリーンとよばれる版にインクをつけて印刷する方法です。ガラスやプラスチック、ナイロンなどさまざまな素材に印刷できます。やや凹凸感のある仕上がりになるのが特徴で、太陽光や雨などの自然環境や時間の経過による耐久性が高く、色あせたり、はがれたりする心配が少ないことがメリットです。
なおシルクスクリーン印刷では、1色刷るたびにインクを乾燥させる工程があり、複数の色で印刷する場合は一定の時間がかかるため、多色印刷には不向きです。
②オフセット印刷
オフセット印刷とは、版につけたインクをゴム製のブランケットに転写し、印刷する方法のことです。化粧品容器では主にチューブへの印刷に行われます。フルカラーやグラデーションの再現性に優れているため、化粧品容器に細かなデザインを施したい場合におすすめです。多色刷りも一つの工程で済むため、シルクスクリーン印刷よりも費用を抑えることができます。
しかし、オフセット印刷で用いるインクには濃度が低いという点に注意が必要です。濃い色の化粧品容器に薄い色を印刷すると、発色が悪くなったり、くすんだ発色になったりする可能性があります。
③インクジェット印刷
インクジェット印刷は、パソコンからインクジェットプリンターに直接データを送信して印刷する方法で、フルカラーでの表現が可能です。速乾性インクを使用しているため、印刷時間が短く、スピーディな作業が叶います。また、シルクスクリーン印刷やオフセット印刷と違い、版を作る工程が不要です。
さらに、1個単位の小ロット生産に適しており、少量生産から始められる点もうれしいポイントです。
④転写印刷
転写印刷とは、転写紙にデザインを印刷し、それを化粧品容器に強い力で押しつけて仕上げる方法のことです。先述のシルクスクリーン印刷やインクジェット印刷とは異なり、すでに印刷したものを化粧品容器に貼りつけるため、複雑なデザインでも仕上がりが崩れることはありません。写真やイラストの再現度も高く、多種多様なデザインを印刷できます。
しかし、場合によっては圧迫した跡が残る可能性があるため、その点にはご留意ください。
⑤ホットスタンプ印刷
ホットスタンプ印刷は、別名“箔押し印刷”ともよばれており、インクの代わりに金箔や銀箔を用います。デザインによって、製品名やロゴなどにワンポイントで入れると化粧品容器に高級感が出るため、そのようなデザインを目指している企業さまにはおすすめです。
ゴールドやシルバーの色のバリエーションが複数あるので、箔の見本帳を見ながらイメージに合ったものを選ぶことができます。
⑥パッド印刷
パッド印刷では、シリコン製のパッドを用いて、スタンプのように押しつけて印刷します。やわらかいシリコンを使用しており、複雑な形状の化粧品容器や曲面にも比較的綺麗に印刷できます。
化粧品容器に直接印刷する以外の方法
続いては、化粧品容器に直接印刷する以外にデザインを施せる4つの方法を紹介します。
①着色
着色は、一般的に“練り込み着色”のことを指し、原料のプラスチックに着色剤を混ぜ合わせてから成形する方法です。着色方法によって、マット・パール・メタリックなどさまざまな印象に仕上げられるのが特徴です。また、透明度やパール感も調整できます。
②塗装
着色と同様、化粧品容器に直接色をつけてデザインする方法には、塗装もあります。着色は化粧品容器自体に色をつけるのに対し、塗装は化粧品容器の表面にのみ塗料を吹き付けて、容器に希望の色を付ける方法です。
塗装はグラデーションやメタリックなどデザインの幅が豊富で、化粧品容器の質感を変えることも可能です。
③シュリンク加工
シュリンク加工とは、化粧品容器に施したいデザインを事前に決め、シュリンク用フィルムに印刷する方法のことです。フィルムに熱を加えて、化粧品容器にぴったりと密着させるため、どのような形状でも綺麗なデザインを施せます。
また、シュリンク加工はパソコンからプリンターへ直接データを送るオンデマンド印刷にも対応しています。オンデマンド印刷は版を作る必要がなく、その分の費用を抑えられるため、小ロットでの生産を行いたい場合にぴったりです。
④ラベル印刷
化粧品容器に直接印刷する代わりに、ラベルを貼る方法をラベル印刷とよびます。
シュリンク加工と同様、小ロットの生産に適しており、比較的安い価格で化粧品容器にデザインを施すことが可能です。また、写真も綺麗に印刷できるほどデザインの再現性に優れているため、ブランドイメージを的確に印象づけられます。
まとめ
この記事では、化粧品容器の印刷方法について以下を解説しました。
- 化粧品容器を製造する際に化粧品容器に記載が必要な項目とは
- 化粧品容器の印刷方法
- 化粧品容器に直接印刷する以外の方法
化粧品容器に完成したデザインを印刷する際は、主にシルクスクリーン印刷やオフセット印刷などの方法が用いられます。印刷方法によって仕上がりは大きく異なるため、それぞれの特性を理解し、自社の製品にもっとも適した方法を選びたいところです。
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