
青焼きとは?化粧品容器のシルクスクリーン印刷で重要な確認工程
化粧品容器の印刷には、デザイン性と耐久性を両立できる「シルクスクリーン印刷」が多く用いられます。この印刷方法では、わずかなズレや抜けが最終仕上がりに影響するため、製版前の確認工程が重要です。その確認作業のひとつが「青焼き(あおやき)」での確認です。
青焼きとは、デザインの形状や印刷位置を事前にチェックするためのものです。本記事では、シルクスクリーン印刷における青焼きの役割と工程をわかりやすく解説します。
青焼き(あおやき)とは?シルクスクリーン印刷における「青焼き」の定義

青焼きとは、印刷前にフィルムを用いてデザインの抜けや形状を確認するための確認紙(またはデータ)を指します。
その名の通り、かつては感光紙を使い、青地に濃い青の線を出力していたことから「青焼き」と呼ばれるようになりました。現在では、デジタル化が進み、レーザープリントやPDFで確認するケースも増えています。
この青焼き段階で、文字やロゴの位置、バランス、デザインの抜けや線の太さなどを確認し、問題があれば製版前に修正します。
確認できるのは「形」だけで、色味や濃淡などは確認できません。
この時点で修正しておくことで、後の試し刷りや本印刷のトラブルを防ぎやすくなります。
「試し刷り」との違い
青焼きと混同されやすいのが「試し刷り」ですが、目的とタイミングが異なります。
工程 | 確認内容 |
青焼き | 製版前に「形状」や「線の太さ」などを確認する工程 |
試し刷り | 実際の容器に印刷して「仕上がり」を確認する工程 |
つまり、青焼きは「製版の正確性を確認する工程」、試し刷りは「最終仕上がりを確認する工程」です。
青焼きの役割・目的
青焼きでの確認は単なる確認作業ではなく、印刷品質を左右する重要なステップです。
シルクスクリーン印刷では「メッシュ」と呼ばれる網状の版を使うため、形状の再現性を確認する工程が重要です。
主な役割は以下のとおりです。
- レイアウト確認
容器に対して印刷位置や全体バランスが正しいかをチェックします。ズレがある場合は、デザイン原稿データを修正して調整します。
- 細部の再現性確認
文字・ロゴなどの細かい部分が、潰れていないか、欠けていないかを確認します。
- 誤植・デザイン崩れの防止
誤字脱字やロゴの欠け・崩れなどを早期に発見し、校正漏れや再印刷のリスクを軽減します。
- 承認ステップとしての役割
印刷会社からクライアントへ提出する「承認用資料」としての機能もあります。
この段階で正式な「校了(こうりょう)」の承認を得ることで、責任範囲と品質を明確にできます。
なお、化粧品容器のデザイン印刷や加工技術については、こちらの記事でも解説しています。
シルクスクリーン印刷の製版工程フローと青焼きの位置づけ

シルクスクリーン印刷は、版を通してインクを転写する印刷方法です。
特に青焼きは、データ作成と版製作をつなぐ中間のステップとして、品質確認の重要な工程です。青焼きがどの段階で行われるかを理解することで、印刷全体の流れがより明確になります。
デザイン原稿作成
印刷データ(aiなど)を用意し、レイアウトを整える。(印刷データはillustratorなどのベクトルデータで用意し、PDFとして書き出す場合もあります。)フィルム出力
デザインをフィルムに出力して、版の元データを作成。青焼き
出力したフィルムをもとに、形状・文字・位置を確認。スクリーン版の製版
青焼きで確認後、問題がなければスクリーン版を作成。試し刷り
実際の容器に印刷して、発色や質感を確認。本印刷
最終確認を経て、本生産に進む。
青焼きの確認段階でズレや抜けを修正しておくことで、試し刷りや本印刷での手戻りを防ぎ、スムーズな生産につながります。特に複数色の印刷や細かいデザインを扱う場合、青焼き確認を丁寧に行うことが仕上がり精度を高めるポイントです。
デジタル化・最新の代替方法
近年では、従来の「青焼き紙」を使わず、デジタルデータで確認する方法も一般的になっています。
レーザープリントやPDFによる簡易校正
印刷前にPDFデータを共有し、画面上でレイアウトや文字を確認する方式。迅速かつ低コストで行えるのが特徴です。
このような方法により、青焼きの精度と効率は大幅に向上しています。
まとめ
この記事では、シルクスクリーン印刷における「青焼き」について以下を解説しました。
青焼きとは
試し刷りとの違い
青焼きの役割と目的
製版工程における青焼きの位置づけ
デジタル化による最新の代替方法
青焼きは、印刷前に形状・レイアウト・誤植を確認し、製版の精度を高める重要な工程です。事前に不備を発見できることで、印刷トラブルを防ぎ、仕上がりの品質を高めることにつながります。
近年はPDFやレーザープリントによる確認など、デジタルでの青焼き対応も広がっています。印刷会社と密に確認を行いながら、慎重な青焼き確認を経て製版に進むことが大切です。
石堂硝子では、青焼きをPDFまたは紙の書面で送付し、内容確認後に製版を行っています。化粧品容器の印刷でお悩みのご担当者さまは、ぜひ一度ご相談ください。
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