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化粧品容器に用いられる加飾の種類を解説

加飾は、化粧品容器の外観に装飾を加え、見栄えや質感を演出する重要な技術です。化粧品容器をデザインする際に用いれば、コンセプトに沿った独自性を打ち出し、ユーザーの記憶に残る製品がつくれます。

本記事では、化粧品容器に加飾することが多い理由や、代表的な種類を解説します。



化粧品容器への加飾が推奨される理由

加飾の概要

加飾とは、製品の外観に装飾を加える技法や処理のことです。もともとは工芸品に対して用いられる言葉でしたが、現在では硝子やプラスチック製品への処理として知られています。

硝子やプラスチックは、私たちの生活になくてはならない存在です。それらに対して、見栄えや質感を良くするために加飾が行われます。塗装や着色にくわえて、表面にインクで印刷する方法も、加飾に含まれます。



化粧品容器への加飾が推奨される理由

化粧品容器をデザインする際は、競合との差別化が図れるため、加飾を行うことが大半です。加飾によってデザインの幅が広がり、化粧品のコンセプトやターゲットに沿った独自性を打ち出せます。

軽さやさびにくさといった、プラスチックの機能的な部分を生かしながら、化粧品容器のデザイン性を高められます。



加飾の種類

化粧品容器の加飾の種類

ここからは、化粧品容器に用いられる主な加飾方法を紹介します。


①練り込み着色

練り込み着色は、もっともシンプルな加飾の一つです。プラスチック製品の成形時に着色剤を混ぜ合わせることで、表面だけではなく内部にまで均等に色をつけられます。

赤や青などの色をつけるのはもちろん、透明度やパール感も着色によって調整可能です。樹脂原料であるマットPPを用いれば、ツヤや光沢が抑えられます。

練り込み着色が施されたボトル


②塗装着色

塗装着色はその名の通り、プラスチック製品の表面に塗料を塗って、色づけする加飾方法です。具体的には塗料を吹きつけ、製品を塗膜で覆います。

練り込み着色と同様に多くの色を選べるほか、マット調やメタリック、グラデーションを施し、質感も表現できます。パール塗装やソフトタッチ塗装など、塗装方法はさまざまです。

塗装着色が施された化粧品容器


③蒸着(メッキ)

蒸着は、アルミニウムを蒸発させ、製品の表面に付着させる加飾方法です。特に真空状態で金属を蒸着させる、“真空蒸着”が用いられます。

この方法では、曲面や凹凸のある形状でも綺麗に仕上がるほか、付着する金属の光沢によって、鏡面反射しているかのような、高級感やメタリック感を与えられる点がメリットです。

蒸着(メッキ)加工が施されたポンプとキャップ


④シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷は、メッシュ状の穴が開いたスクリーンとよばれる版に、ヘラで伸ばしたインクを入れて印刷する方法です。

また、版が比較的安価なことから大量生産に適しており、ボトルやキャップへの加飾に用いられています。

シルクスクリーン印刷


⑤パッド印刷

プラスチック製品に印刷する方法としては、パッド印刷も挙げられます。弾力のあるゴムパッドにインクを転写し、スタンプのように押しつけることで加飾する方法です。

シルクスクリーン印刷では対応できない曲面や、凹凸のある製品にも印刷できます。ただし版が比較的高価で、シルク印刷よりもコストがかさむという特徴があります。

パッド印刷が施されたキャップ


⑥ホットスタンプ

ホットスタンプは、加熱した凸版で製品に蒸着膜を施した箔を転写させる加飾方法です。箔押(はくおし)とよばれることもあります。シルバーやゴールドなど金属調の表現が可能です。

一般的な塗装とは異なり、乾燥工程を必要としないため、比較的短時間で加工できる点がメリットです。

ホットスタンプ加工が施された化粧品容器


⑦シュリンク

シュリンクフィルムを熱によって収縮し、製品に巻きつける方法もあります。印刷が難しい特徴的な形状の容器に対して、全面的なデザインを施せます。

製品に直接印刷する場合と比べて、シュリンクフィルムは剥がしやすく、分別やリサイクルが容易です。このことから、環境に配慮した加飾方法として注目されています。

シュリンク加工が施された化粧品容器



まとめ

この記事では、化粧品容器の加飾について以下の内容を解説しました。


  • 加飾の概要
  • 化粧品容器への加飾が推奨される理由
  • 加飾の種類


化粧品容器をデザインする際は、加飾を用いることが大半です。独自性を打ち出し競合と差別化することで、人々の記憶に残る製品に仕上がります。

加飾にはさまざまな種類があるため、どれが製品に合っているのかを比較検討し、適切な方法を選んでください。


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