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オーガニックコスメとは? 認証機関や認証基準を紹介

SDGsや環境保全に対する関心の高まりから、近年オーガニックコスメへの注目が集まっています。しかしながら、オーガニックコスメには国際的に統一された基準が設けられていないのが現状です。


そこで本記事では、オーガニックコスメの概要を解説したうえで、代表的な認証機関や認証基準を紹介します。



オーガニックコスメとは

オーガニックコスメとは、化学肥料を使わずに大地で作られた植物を成分とする化粧品のことです。オーガニックという言葉は“有機”や“有機栽培”を意味します。


つくられた製品は、国際認証機関の基準を満たすことで、オーガニックコスメ認証を受けられます。品質や安全性、トレーサビリティなどに厳しい基準が設けられていますが、認証を受けたからといって、合成成分がまったく入っていないわけではありません。



オーガニックコスメの現状

オーガニックコスメの現状

オーガニックコスメの認知度は年々広まっており、今後も需要が高まっていくと予想されます。


株式会社矢野経済研究所の調査によると、2022年度の自然派・オーガニック化粧品市場は、ブランドメーカー出荷金額ベースで、前年度比105.5%の1,733億円と推計されました。2023年度においても、前年度比103.4%の1,792億円と予測されており、市場が成長しつづけていることがわかります。


サスティナブル・ウェルビーイングを意識したライフスタイルへの関心やサービスが増え、美容業界においても、ナチュラルやオーガニック製品への理解・認知が進んでいるのが現状です。また、化粧品開発における動物実験を禁止する取り組みも各化粧品メーカーで行われており、メディアやSNSを通して認知度が上がり、オーガニックで人にも環境にも優しい化粧品という選択肢が消費者のなかで広まってきています。


一方で“自然派”や”オーガニック”といった訴求点の期待値は、徐々に落ち着きを見せているため、製品をアピールするには、ほかの要素を加えることが必須になると見込まれます。



オーガニックコスメの認証機関

オーガニックコスメの認証機関

現在オーガニックコスメには、国際的に統一された認証基準がありません。世界中に多くのオーガニックコスメの認証機関や団体が存在しています。各認証団体のコスメ認証基準の違いのなかで重要なポイントは、石油系合成成分の使用について認めるか否かということです。石油系合成成分を一部認める基準と、一切認めない基準というように、認証基準が団体によって異なっています。
ここではオーガニックコスメの認証を実施している、代表的な6つの団体を紹介します。


①USDA

USDAは、アメリカ農務省(United States DEpartment of Agriculture)によるオーガニック認証機関です。本来は農産物や畜産物などに用いられる制度ですが、化粧品に対する独自の認証制度が確立されていないことから、オーガニックコスメの認証にもUSDAの制度が用いられています。


原材料をもとに4つのカテゴリーが用意されており、水分と塩分を除き、95%以上がオーガニック原料である場合にオーガニックコスメとして認められます。


②ACO

ACOは、2002年に設立されたオーストラリアのオーガニック認証機関(Australian Certified Organic)です。オーストラリアで最大のオーガニック認証団体であり、世界中のオーガニックコスメ認証機関に比べても、かなり厳しい審査基準となっているのが特徴です。


オーガニックコスメとして認証されるには、USDAと同様に95%以上がオーガニック原料であることにくわえ、残りの5%も自然原料を用いる必要があります。そのほか、動物実験をしないことや、合成化学物質、合成肥料、遺伝子組み換え作物を使用していないといった基準が設けられています。


もともと農作物やオーガニックフードの安全性を認証する機関として設立されたため、“食べても安全である”レベルが求められているわけです。


③demeter

demeterは、ドイツのオーガニック製品を推奨する機関として有名です。


ほかのオーガニック認証とは異なり、哲学者であるルドルフ・シュタイナーが提唱した“バイオダイナミック農法”が前提となっています。バイオダイナミック農法で栽培した原料を90%以上含まれていることで、認証を受けられます。


バイオダイナミック農法では、化学肥料や農薬は使わず、太陽の位置や月の満ち欠け、植物のリズムなどに合わせて作物を育てます。自然が本来持っている力を最大限に引き出すことを重視し、種まきや収穫といったタイミングは、太陽暦と占星術に基づいた“農事暦”に沿って決めます。


数ある認証のなかでも最難関だといわれており、認証を受けるのは容易ではありません。


④BDIH

医療品・化粧品商工業企業連盟であるBDIH(ドイツ化粧品医薬品商工業企業連名の略)は、demeteと並んで有名なドイツの認証機関です。認定を受けた医療品や化粧品は、その安全性が世界から高く評価されています。


環境保護の先進国であるドイツでは、早い時期から多くのオーガニックコスメをうたう商品が見られました。そのような背景のもとで策定されたBDIHのガイドラインでは、天然原材料や保存料などに厳しい基準が設けられています。


⑤COSMOS

COSMOSは、ドイツのBDIHをはじめ、ヨーロッパ各国の5つの団体が立ち上げた非営利団体です。特定の国の域を超えて、オーガニックコスメの認証を行っています。


おのおのが定めていたオーガニックコスメの認証ルールを調和させ、その価値や影響力を高めていくため、2011年に制定されました。COSMOSの認証を受けた商品は、世界70ヶ国、26,000点以上です。


COSMOS認証には、オーガニックとナチュラルの2種類の認証があります。現在ヨーロッパでは、オーガニックやナチュラル化粧品と表示する場合に、この認証の取得が義務づけられています。


⑥NaTrue

NaTrueは、ベルギーのブリュッセルにある国際的な非営利団体です。


NaTrueの認証制度の特徴として、評価基準をすべて一般公開している点が挙げられます。評価基準や認定プロセスをすべてホームページに掲載することで、透明性を高めています。


オーガニック成分の配合率に応じて1~3つの星が与えられる仕組みで、星3つの認証を受けるには、配合率が95%以上でなければなりません。NaTrueでは、合成成分は不必要なものであると考え、配合を認めている原料を“自然原料”“準自然原料”“自然同一原料”の3つに区分し、配合量も細かく制限しています。製造方法や環境保護、動物保護について厳格な基準を設けていることも特徴です。



まとめ

この記事では、オーガニックコスメについて以下の内容を解説しました。

  • オーガニックコスメとは
  • オーガニックコスメの現状
  • オーガニックコスメの認証機関

オーガニックコスメの市場は拡大を続けており、今後も需要が高まっていくと予想されます。

その一方で、今のところ国際的に統一されたオーガニックコスメの認証基準はありません。オーガニックコスメを販売する際は、それぞれの機関の特徴を確認したうえで、どの機関の認証を受けるのかを考えることをおすすめします。


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