
DICとPANTONEの違いとは?シルク印刷で使われる特色指定を解説
化粧品容器の色指定では「DIC指定」「PANTONE指定」といった言葉を使うことが多いですが、「何が違うのだろう?」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。DICとPANTONEはいずれも特色(とくしょく)指定に使われる色体系(カラーシステム)ですが、成り立ちや主な使用エリアが異なります。
本記事では、特色とは何かという基礎から、DICとPANTONEの特徴、シルク印刷での位置づけまでを解説します。
目次[非表示]
- 1.特色指定とは何か
- 1.1.シルク印刷で特色が使われる理由
- 2.DICとは(特徴・使われ方)
- 2.1.DIC特色の概要
- 2.2.化粧品容器の色指定での使われ方
- 3.PANTONEとは(特徴・使われ方)
- 3.1.PANTONE特色の概要
- 3.2.海外案件との関係
- 4.DICとPANTONEの違い
- 4.1.使用される場面の違い
- 5.シルク印刷での位置づけ
- 6.まとめ
特色指定とは何か
特色とは、色見本帳で指定された色を基準に、単一のインクで再現する色指定方法です。DICやPANTONEは代表的な色見本帳です。あらかじめ定義された番号の色を指定し、その色を基準にインクを調合して印刷します。
一方、一般的なCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)によるプロセスカラーは、4色のインクを重ねて色を表現します。CMYKはフルカラー表現に向いています。
多くの化粧品容器では「シルク印刷」が採用されており、印刷色の指定にはDICやPANTONEなどの色番号が用いられることが一般的です。シルク印刷とは、版のメッシュを通してインクを押し出して印刷する方式です。
シルク印刷で特色が使われる理由
化粧品容器のシルク印刷では、特色指定が多く採用されます。
特色が採用される主な理由
ブランドカラーの再現性を高めやすい
発色が安定しやすい
金や銀などの特殊色に対応できる
DICとは(特徴・使われ方)

DIC特色の概要
DICは、日本のDIC株式会社が提供する色体系です。その色体系を示した色見本帳は「DICカラーガイド」と呼ばれ、日本国内の印刷業界で広く使われています。
DICの特徴
日本の印刷基準に最適化されている
日本国内製造との相性が良い
特色指定による色合わせがしやすい
DIC番号で指定することで、印刷会社と共通の色基準を持つことができます。たとえば「DIC 582」のように番号で伝達します。
化粧品容器の色指定での使われ方
日本国内で完結する案件では、DIC指定がスムーズに運用されるケースが多く見られます。
指定されやすい箇所
ロゴ色
コーポレートカラー
注意表示や装飾ライン
PANTONEとは(特徴・使われ方)
PANTONE特色の概要
PANTONEは、アメリカのPantone社が提供する色体系です。
国際的に広く使用されており、世界中のデザイナーや印刷会社、アパレル、プロダクトブランドなどで色指定の共通基準として利用されています。
PANTONEの特徴
国際的に広く使われている色体系
グローバルブランドで広く採用
デザイン・ファッション分野でも普及
「PANTONE 186C」のように番号と記号で指定します。CやUは印刷する紙の種類による色の見え方の違いを示す記号で、Cはコート紙、Uは非コート紙を想定しています。なお、化粧品容器のような紙以外の素材ではCやUはあくまで色の目安として使われます。
海外案件との関係
海外展開ブランドや多拠点生産の案件では、PANTONE指定が用いられることがあります。
採用される背景
グローバルでのブランド統一
海外工場との色基準共有
輸出向け案件
海外市場を含む製品では、PANTONEの方が共通基準として扱いやすい場合があります。
※補足
2022年以降、一部Adobe製品ではPantoneカラーライブラリが標準搭載されなくなりました。現在は別途ライセンス契約や専用プラグインが必要になる場合があります。実務上は制作環境の確認も重要です。
https://helpx.adobe.com/jp/creative-cloud/adobe-color.html
DICとPANTONEの違い

DICとPANTONEはいずれも特色指定に使われる色体系ですが、成り立ちや主な使用領域に違いがあります。
DICとPANTONEの比較
項目 | DIC | PANTONE |
提供元 | DIC株式会社(日本) | Pantone社(米国) |
主な使用地域 | 日本国内 | 国際的・グローバル |
普及分野 | パッケージ・商業印刷 | デザイン・ファッション・印刷全般 |
指定例 | DIC 582 など | PANTONE 186C など |
色番号の互換性 | PANTONEと互換なし | DICと互換なし |
どちらも特色指定の基準ですが、番号体系は共通ではありません。同じ赤系でも、DICとPANTONEで完全一致する番号は基本的に存在しません。
使用される場面の違い
DICとPANTONEは案件の前提条件によって選ばれます。
選定に影響する主な要素
国内向け案件か
海外展開を含む案件か
ブランド側の指定体系
既存のデザインガイドライン
国内ブランドであればDIC指定が多く、グローバル展開ブランドではPANTONE指定が採用される傾向があります。
重要なのは、「どちらが正しいか」ではなく、どの市場・どの基準で色を管理するかです。
シルク印刷での位置づけ
色ブレが起こる理由
特色指定を行っても、見え方が変わる場合があります。色見本帳は紙に印刷された見本です。一方、化粧品容器はガラスや樹脂です。
色の見え方に影響する要素
インクの調合時のわずかなばらつき
素材の違い(ガラス/樹脂)
生地色の影響
同じ番号でも、素材が変わると印象が変わることがあります。色見本帳と実物容器では反射や透過の条件が異なります。
試刷りとの関係
そのため、実務では試刷り確認が行われます。試刷りとは、本番条件に近い形で印刷し、色味を確認する工程です。
特色指定はあくまで基準です。最終的な見え方は実物で確認されます。印刷・色指定に関する詳細は下記も参考になります。
まとめ
本記事の整理ポイント
特色指定とは何か
DICとは(特徴・使われ方)
PANTONEとは(特徴・使われ方)
DICとPANTONEの違い
シルク印刷での位置づけ
DICとPANTONEは、いずれも特色指定に使われる重要な色体系です。案件の市場や生産体制に応じて選定されます。石堂硝子にはDIC・PANTONEどちらのカラーガイドもございます。また、ショールームでは石堂硝子オリジナル化粧品容器のサンプルや、最新の実績品、色見本や印刷見本を豊富なラインナップで展示しています。化粧品容器の印刷や色にお悩みの方はぜひ、石堂硝子にお問い合わせください。
\まずはサンプルが欲しい!1点からどうぞ/
化粧品容器のお困りごと
\何でもご相談ください!/
見て・触れて・比べられる
\ショールームへ行こう!/
