
シェアコスメとは?共有しやすい化粧品容器と設計のポイント
化粧品の開発や商品設計において、「誰がどのように使うか」という視点は重要な要素の一つです。従来は個人での使用を前提とした設計が一般的でしたが、近年は複数人で共有して使うというスタイルも広がりつつあります。なお、シャンプーやボディソープといったインバス製品などでは、家族で共有される使い方も以前から広く見られます。
こうした使い方は「シェアコスメ」と呼ばれ、カップルや家族、同居者間で同じ化粧品を使うケースなどが挙げられます。背景には、ジェンダーレスコスメの広がりや、性別にとらわれず製品を選ぶ傾向の変化があります。また、必要なものを無駄なく使いたいという意識も、共有という使い方につながる要因の一つと考えられます。
こうした変化は、使用スタイルだけでなく、容器設計や製品仕様にも関係します。本記事では、シェアコスメの基本的な考え方とその背景、共有という使い方による変化、さらに化粧品容器の設計との関係について解説します。
目次[非表示]
- 1.シェアコスメとは何か
- 1.1.シェアコスメの定義
- 1.2.従来のコスメとの違い
- 2.シェアコスメが広がっている背景
- 2.1.ジェンダーレスコスメの広がり
- 2.2.ライフスタイルの変化
- 3.シェアという使い方がもたらす変化
- 3.1.使用頻度の変化
- 3.1.1.使用回数が増える
- 3.1.2.消費スピードが早くなる
- 3.2.使用シーンの変化
- 4.シェアしやすい容器とは
- 4.1.衛生面への配慮
- 4.2.使用量のコントロール
- 5.化粧品容器の設計に見られる変化
- 5.1.ジェンダーレスデザインとの関係
- 6.まとめ
シェアコスメとは何か

シェアコスメは、従来の「個人で使う化粧品」とは異なる使い方です。ここでは、基本的な定義と、従来のコスメとの違いについて解説します。
シェアコスメの定義
シェアコスメとは、化粧品を複数人で共有して使用するスタイルを指します。カップルや家族、同居人など生活を共にする人同士で同じ製品を使うケースなどがこれにあたります。
洗面所などの共有スペースに同じスキンケア製品を置き、複数人で使うような使い方が想定されます。日常生活の中で自然に共有される場合もあれば、最初から共有を前提に製品を選ぶケースも見られます。
こうした使い方は特別なものというよりも、生活スタイルに応じた選択肢の一つといえます。なお、共有されるアイテムとしてはスキンケアが中心ですが、一部ベースメイクなども含まれます。
従来のコスメとの違い
従来の化粧品は、個人での使用を想定した設計が一般的でしたが、シェアコスメでは複数人で使われるケースも見られます。そのため、想定する使用者や使い方に違いがでてきます。
この違いは、製品設計や容器仕様にも影響します。例えば、誰が使っても違和感のないデザインや、複数人で使いやすい構造が検討されます。
シェアコスメが広がっている背景
シェアコスメは、特定のトレンドとして生まれたものではなく、既存の市場変化や価値観の延長にある使い方といえます。特に、製品の選び方や生活スタイルの変化が、共有という選択につながっています。
ジェンダーレスコスメの広がり
近年ジェンダーレスコスメやユニセックスコスメといった考え方が広がり、性別による区分にとらわれない製品も見られるようになっています。その結果、誰が使うかを想定しない製品が増え、複数人で同じ製品を使うといった使い方も取り入れやすくなっています。
シェアコスメは、女性向けからメンズコスメ、さらにジェンダーレスコスメへと広がる流れの中で生まれた使い方の一つといえます。
ライフスタイルの変化
生活スタイルの変化も、シェアコスメの背景にある要素の一つです。近年はモノを個別に所有するのではなく必要なときに使うという考え方も見られるようになっています。
2020年の内閣府の報告によると、消費者の意識は「保有」から「利用」へと変化しているとされています。
また、フリマアプリやサブスクリプションの普及などから、モノを所有するのではなく利用するという消費スタイルの変化も見られます。
こうした考え方は、日用品の使い方にも影響を与えている可能性があります。
化粧品においても、こうした流れの中で複数人で共有する使い方が取り入れられるケースがあります。
出典:内閣府「令和2年度 年次経済財政報告」 /経済産業省「シェアリングエコノミーに関する実態調査」等の結果概要(2019年9月発表)
シェアという使い方がもたらす変化

化粧品を複数人で共有することで、使用頻度や使用環境に変化が生じます。こうした変化は、製品の容量や容器仕様にも関係しています。
使用頻度の変化
シェアコスメでは、複数人が同じ製品を使用するため、1つの製品に対する使用頻度が高くなる傾向があります。
使用回数が増える
複数人が使用することで、1日の使用回数が増えます。個人で使用する場合と比べて、同じ製品でも使われる機会が多くなります。
消費スピードが早くなる
使用回数の増加に伴い、製品の減り方にも違いが生まれます。その結果、従来の容量設計では使用期間が短くなるケースも考えられます。
また、複数人が使うことで、残量の把握や補充のタイミングを共有する必要が出てくる場合もあります。
このように、シェアという使い方は、製品の消費ペースや使用期間の捉え方にも変化をもたらします。
使用シーンの変化
シェアコスメでは、製品が使われる場所や環境にも変化が見られます。個人の持ち運び用途とは異なり、洗面所や浴室といった共有スペースでの使用が前提となるケースがあります。
例えば、洗面所に設置されたスキンケア製品を、家族やパートナーと共有するような使い方です。このような環境では、容器が固定された状態で使用されることが多く、持ち運びや携帯性よりも据え置きでの使いやすさが重視される場合があります。
また、複数人が同じ容器に触れるため、誰でも扱いやすい形状や、安定して使える構造が検討されることもあります。
このように、使用シーンの変化は、容器設計の考え方にもつながります。シェアという使い方は、単に使用人数が増えるだけでなく、製品が置かれる環境や使われ方にも関わる要素といえます。
シェアしやすい容器とは
シェアコスメでは、複数人で使われることを想定した容器設計が求められます。個人使用とは異なる使用環境を踏まえ、衛生面や操作性などの検討が大切です。
衛生面への配慮
複数人で同じ製品を使う場合、衛生面への配慮も必要です。使用時の接触機会を減らす構造が選ばれるケースもあります。
衛生面に関わる設計
中身に直接触れにくい構造
吐出口が汚れにくい形状
密閉性の高い容器設計
こうした設計によって、使用時の接触を抑え、清潔な状態を保ちやすくなります。特にポンプタイプなどは、内容物に直接触れずに使用できる点で適した構造といえます。
使用量のコントロール
複数人で使用する場合、使用量のばらつきが生じやすくなります。そのため、一定量を安定して取り出せる構造が、使いやすさにつながると考えられます。
使用量に関わる設計
使用量が安定することで、製品の消費ペースを把握しやすくなります。また、無駄な使用を防ぐことにもつながります。
使いやすさと操作性
シェアコスメでは、使用者が限定されないため、誰でも扱いやすい操作性が問われます。使い方に迷わないシンプルな構造や、直感的に操作できる設計が、使用時の負担を減らすことにつながります。
操作性に関わる要素
直感的に使える構造
片手で操作しやすい形状
安定して扱えるサイズ感
このように、シェアしやすい容器は、単に容量やサイズだけでなく、使用環境や使用者の多様性を踏まえた設計によって成り立ちます。
化粧品容器の設計に見られる変化
ジェンダーレスデザインとの関係
シェアコスメでは、容器デザインの方向性にも変化が見られます。使用者が限定されないため、特定の性別を想起させにくいデザインが選ばれるケースもあります。
デザインに見られる傾向
中間色やニュートラルカラーの採用
シンプルな外観
装飾を抑えたデザイン
こうしたデザインは、誰でも手に取りやすい印象につながります。特定のターゲットに強く寄せるのではなく、幅広い使用者に対応する考え方です。
また、ジェンダーレスコスメと同様に、外見で使用者を限定しないという発想がデザインに反映されています。シンプルであることが、使用シーンや使用者を選ばない、間口の広さにつながっています。
このように、シェアコスメの広がりは、容器の使いやすさだけでなく、デザインの方向性にも影響を与える要素の一つといえます。
まとめ
この記事では、以下の内容を解説しました。
シェアコスメとは何か
シェアコスメが広がっている背景
シェアという使い方がもたらす変化
シェアしやすい容器とは
化粧品容器の設計に見られる変化
シェアコスメは、従来の個人使用を想定とした化粧品の使い方とは異なり、複数人で共有するという新しいスタイルです。その背景には、ジェンダーレスコスメの広がりやライフスタイルの変化があり、使う人を限定しない製品選択が行われる場面も見られます。
また、複数人での使用によって、使用頻度や使用環境が変化する点も特徴です。これにより、容器設計においても衛生面や操作性、使用量のコントロールといった新たな視点が加わります。
化粧品容器は単なる外装ではなく、使用体験や製品価値を構成する要素の一つとして捉えられる場面があります。シェアコスメのような使い方の広がりは、今後の製品設計や容器仕様を考えるうえでも、参考となる視点の一つです。
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