化粧品のバルクとは?容器を選ぶ際のポイント解説

化粧品のバルクとは? 容器を選ぶ際のポイントを解説

化粧品を製造するうえで、重要な役割をもつ“バルク”という言葉を聞いたことはあるでしょうか。あまりなじみのない言葉かもしれませんが、化粧品の製造・販売をこれから始めたい方は必ず知っておくべき内容です。


本記事では、化粧品においてのバルクの意味や、バルクの製造の流れなどを解説します。



化粧品のバルクとは

バルクという言葉の意味は容器や体積のことですが、化粧品業界におけるバルクとは、一般的に“化粧品の内容物”のことを指しています。つまり、容器に充填する前の、原材料などを混ぜ合わせた状態が、バルクそのものというわけです。


なお、化粧品メーカーやOEMメーカーによっては、容器に充填したあとの完成品もバルクとよぶことがあります。


バルクは化粧品を製造するうえで頻繁に出てくる言葉のため、一般的に使われる意味との違いも含めて、必ず覚えておきたい用語の一つです。



化粧品バルクの製造工程

化粧品バルクの製造工程

ここからは、化粧品バルクの製造工程をステップごとに解説します。


①原材料を検査する

最初に行うのは、原材料の検査です。化粧品の内容物は、厚生労働省が定める“化粧品基準”に即していなければなりません。また、日本国内では化粧品に使用できない成分があります。それらを理解したうえで、目視やにおい、手触りで多角的に確認しながら、検査していきます。


②原材料を正確に計量する

化粧品は、厳密に決められた配合に基づいて製造されます。原材料のわずかな誤差が、使用感や見た目に大きく影響することもあるため、0.01g単位で正確に計量しなければなりません。


③バルクを製造する

原材料を正確に測ったら、機械を用いて内容物を製造していきます。バルクによって製造工程や使用する機械は異なるため、原材料を投入するタイミングや順番にもこだわりながら、均一に混ぜ合わせます。


ただし、すべての作業を機械任せにするのではなく、目視によるチェックも重要です。その日の気温や湿度の影響を受けるバルクは、これらの条件下では品質の低下が懸念されます。そのため、担当者がきちんと管理しなければなりません。


④品質を検査する

バルクが完成したら、再度品質の検査を行います。

実施する検査を、項目ごとに以下の表にまとめました。

▼品質検査の項目

検査
内容
物性試験

ph値や粘度、比重(割合)にミスがないか正確に測定する

外観試験

基準としたバルクと、完成したバルクに相違がないか確認する

官能試験

においや肌につけても問題ないか検査する

微生物試験

完成したバルクの中に微生物が混ざっていないか検査する


このような検査を通過して、問題ないことが分かったら充填され、初めて商品としての販売が認められます。この段階で異常があった場合は、出荷することは決して認められません。


⑤バルクを充填し、容器を梱包する

バルクを充填する際に容器が汚れていると、化粧品の品質を大きく損なうおそれがあるため、充填前にエアー洗浄を行うことが一般的です。完成したバルクは容器に充填し、梱包されたのちに出荷され、消費者のもとへ届けられます。



化粧品の容器の選び方

化粧品の製造においては、バルクに合わせた容器の選定も重要です。

ここからは、一般的な化粧品に合う容器の選び方をご紹介します。


①バルクに合わせて選ぶ

バルクの内容によって、適した容器の種類は異なります。容器の主な形状は、ボトル・チューブ・ジャーの3タイプです。バルクの粘度の高い化粧品ならチューブタイプやジャータイプが、粘度の低い液状の化粧品にはボトルタイプが適しています。


また、容器の形状だけでなく、材質も考慮しなければなりません。ボトルタイプやジャータイプの材質には、主にプラスチックとガラスの製品が使用されます。プラスチックはもっともリーズナブルで軽く、ガラスには酸化や吸着を防ぐ役割があります。


なお、美容液に使用されることの多い精油やビタミンCなどの繊細な成分は、光に弱く劣化しやすいため、中身の品質を保つ遮光ビンが特におすすめです。酸化しやすい成分が入っているバルクによっては、空気に触れにくい構造の“エアレスタイプ”を採用してもよいかもしれません。


②デザイン性で選ぶ

化粧品の容器選びでは、形状や材質だけでなく、デザイン性も重視する必要があります。バルクを保護するためだけでなく、販促効果も狙える要素だからです。


オリジナリティを出すためには、イメージやコンセプト、ターゲットに即したデザインであることが重要です。そうすることで、商品としての付加価値が上がり、購買につながる可能性が高まります。


また、容器の大きさを考慮することも大切なポイントです。使用するシーンを思い浮かべて使いやすいサイズを意識できれば、手に取ってもらえる機会が増えるかもしれません。



まとめ

この記事では、化粧品のバルクについて以下を解説しました。


  • 化粧品のバルクとは
  • 化粧品バルクの製造工程
  • 化粧品の容器の選び方


自社ブランドの化粧品を製造するなら、業界で使われているバルクの意味を押さえておく必要があります。消費者が満足できる製品を作るには、化粧品のバルクの製造工程における、厳正な検査や精密な計量が鍵を握ります。


また、バルクの品質を保つために、容器の形状や材質にこだわったり、販促効果を上げるためにデザインに力を入れたりすることも大切です。


石堂硝子では、製品のイメージに合わせたジャータイプやボトルタイプなどの容器を多数取り揃えておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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