化粧品開発の基本的な流れはこれでOK! 要する期間も説明
化粧品開発へ乗り出すにあたっては、まず、開発を始めてから販売に至るまでの流れを考えなくてはなりません。しかし、ノウハウがまったくない状態で化粧品開発の流れを検討するのは、非常に困難だといえます。
そこで今回は、いくつかのフェーズに分けて化粧品開発の流れを説明します。
化粧品開発の流れ
化粧品は、基本的に以下の6つのフェーズに沿って開発が進められていきます。
▼化粧品開発の6つのフェーズ
- 企画の立ち上げ
- 計画の策定
- OEMメーカーの選定
- 打ち合わせ
- 開発
- 生産・納品
それぞれのフェーズでどのような対応が必要になるのか、以降で詳しく説明します。
①企画の立ち上げ
最初に「どのような化粧品を開発したいのか」を決めるための、企画を立ち上げます。この内容次第で化粧品の開発方針が大きく変わるため、非常に重要なフェーズです。
企画立ち上げの初期段階に行われることが多いのが、ニーズを探るためのアンケート調査やモニタリングです。今の消費者の好みや流行をキャッチし、それをもとにターゲットとする層を決定していきます。
ターゲットが定まったのちは、化粧品の種類やカラーバリエーションといったコンセプトを考えます。また、商品とともにブランドも新しく作るのであれば、ブランドイメージの方針もあわせて決めたいところです。
②計画の策定
企画が通れば、次は開発から販売にかけての具体的な計画を策定します。開発を終えて製造に入る時期や、販売開始のタイミング、また販売形態などを決めていくのがこのフェーズです。
ロット数、つまりどれだけの数製造するかもこの段階で練っていきます。製造にかかるコストや期間を考慮しながら、原価率を抑えやすい大ロットとするか、在庫を抱えるリスクの少ない小ロットとするかなどを決定していきます。
③OEMメーカーの選定
化粧品の製造に必要不可欠なOEMメーカーは、このタイミングで選定を行います。
「自社だけで化粧品の製造は可能なのだろうか」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、化粧品の製造は、OEMメーカーに委託する企業も数多くあります。なぜなら、化粧品の製造には”化粧品製造業許可”が必要なうえに、必要な設備を一から調達するとなると、莫大な初期コストがかかってしまうからです。
「しかし、どのOEMメーカーに依頼すればよいのかが分からない」とお悩みの担当者様のために、OEMメーカー選定の基本的なフローをご用意しました。
▼OEMメーカー選定のフロー
- メーカーのリストアップ
⇒自社の求める化粧品開発が可能か、得意分野は何かなどを確認する。 - 候補メーカーとの打ち合わせ
⇒内容物・開発期間やロット数など重要な項目についてOEM担当者と密にコミュニケーションをとる。 - 生産体制のチェック
⇒細かいニーズに応えてくれるか、薬機法など表示に関わる監修をしてくれるかなどを確認する。 - その他製造に関わる詳細な内容のチェック
イメージ通りの化粧品を製造してもらえるメーカーを見つけるためにも、上記のフローをぜひご活用ください。
④打ち合わせ
製造を依頼するOEMメーカーが決まったら、企画で固めた化粧品の方向性を伝えるために、複数回の打ち合わせを行います。
打ち合わせの際、こちらの要望を伝えるだけでなく、先方からも何か提案や確認事項がないかヒアリングすることが大切です。OEMメーカーは化粧品製造の経験が豊富なため、こちらが詳細を詰め切れていなかった箇所についても、アイデアを貰える場合があります。そのようにしてお互いに認識をすり合わせていき、開発・製造のより詳細な方針を定めていくのが、このフェーズの目的です。
⑤開発
打ち合わせで決まった方針に従い、開発を実施していきます。OEMメーカーが試作品を作成し、こちらがフィードバックするというやり取りを繰り返しながら、各種成分の配合量や割合を定めていくのが一般的な流れです。
また、内容物だけではなく化粧品の容器や梱包についても、このフェーズで選定や調達を進めます。化粧品やブランドのコンセプトをアピールするうえで、見た目は非常に重要な要素ですから、選定は抜かりなく実施したいところです。もちろん、外観だけではなく材質や容量などにも配慮する必要があります。
上記にくわえて、化粧品の表示に関する法律についても、検討を進めていかなくてはなりません。例えば薬機法では、化粧品のパッケージや広告に用いてよい効果・効能が厳格に定められています。
薬機法についてより詳細に知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。記載可能、または禁止されている表現を具体例とともに解説しております。
化粧品における薬機法の内容とは? 記載可能な表現や表記ルールを解説
⑥生産・納品
開発が完了したら、工場にていよいよ生産の開始です。
「ここまで来れば、あとは生産するだけ」と思われるかもしれませんが、油断は禁物です。商品の品質を維持し不良品を出さないためにも、化粧品の製造過程では徹底した品質管理を行う必要があります。
そして品質基準をクリアした商品は、出荷検査を経て最終的に各販売店に届けられます。これが、化粧品開発の一連の流れです。
化粧品開発に要する期間
化粧品開発の流れは把握できましたが、期間はどれほど要するものなのでしょうか。
今回解説した流れ通りに化粧品を開発した場合、最短でも3ヶ月はかかることが予想されます。開発する化粧品の内容や種類、ロット数次第ではさらに長くなり、リードタイムまでも考慮すると6ヶ月かかる場合もあります。
「そこまで時間がかかるのは避けたい」とお考えなら、OEMメーカーの”既存処方”を利用するのがおすすめです。既存処方とは、OEMメーカーがすでに保有している成分レシピのことです。これを利用すれば化粧品の成分割合を一から考えずに済むため、開発工程を大幅に短縮できます。
化粧品容器の選び方
開発工程の一環として選ぶこととなる化粧品容器は、OEMメーカーに手配してもらうだけでなく、専門の容器メーカーから調達することも可能です。専門の容器メーカーを利用すれば、化粧品のコンセプトにより適した容器をイメージ通りに作り上げられます。
化粧品容器メーカーを選ぶ際は、以下のポイントを重視してみてください。
▼化粧品容器メーカーを選ぶ際のポイント
- 選べる容器の形状がバラエティに富んでいるか
- 容器に使用できる材質の種類は豊富か
- 希望するリードタイムに対応できるのか
- 希望するロット数に対応しているか
新しく金型を準備できる容器メーカーなら、極めてオリジナリティの高い化粧品容器を準備できます。一方で、カタログから既存製品を選ぶ場合であっても、その選択肢が豊富なら大きな問題にはなりません。
また、容器の材質にこだわれるかどうかも重要なポイントです。内容物との相性はもちろん、対応が急務とされている環境問題に取り組む観点でも、選んだ材質の種類が大きな影響を与えます。
まとめ
この記事では、化粧品の開発工程について以下を解説しました。
- 化粧品開発の流れ
- 化粧品開発に要する期間
- 化粧品容器の選び方
化粧品開発には合計6つのフェーズがあり、実際に化粧品を販売するまでにはある程度の期間もかかります。また化粧品の開発においては、内容物のみならず容器についても考慮する必要があります。商品やブランドのイメージを消費者に伝えつつ、内容物をきちんと保護するためにも、化粧品容器はこだわりをもって選定することが大切です。
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